ヒートアイランド現象に有効な壁面緑化
近年、都市部のヒートアイランド現象が、深刻化してきました。ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が、周囲に比べ高くなる事です。建物の密集地ほど気温が高くなり、郊外へ行くほど低くなるのが「島」のように見えるため、この名がつきました。ヒートアイランド現象により、局地豪雨など、今までなかった自然災害が起こるようになりました。また地球温暖化にも、悪影響を及ぼします。ヒートアイランド現象は、夜間、特に都市部と郊外の気温差が広がります。これは、都市部に樹木などの植物が少ないので、植物の葉から、水分が蒸発することによって、冷却効果がおこることが期待できないからです。また夜間気温が下がらない事により、各家庭でのエアコン使用量が増え、より一層気温が下がらないという悪循環が起きています。これに対する有効な手段が、壁面緑化です。
壁面緑化は建物の外壁を、植物で覆うことで、建物に直接日光を当たらなくし、温度の上昇を押さえます。葉からの蒸散作用による冷却効果も期待できます。また植物による大気の浄化、美しい都市環境の整備などの効果も期待できます。壁面緑化が広がったのは、比較的最近です。1990年代から、主に環境問題を発端に実施されるようになりました。しかし植物のメンテナンスが難しかったり、土を使うので建物が重さに耐えられないなどの問題があり、さほど普及しませんでした。ヒートアイランド現象の深刻化や、震災後に起こった電力不足により、壁面緑化の有効性が認識され一気に広まることとなりました。壁面緑化には、主に3つの方法があります。植物を建物の下から上に這わせる登坂型。建物の上部に、植物を植えたコンテナを置いて、下に垂れ下げる下垂型。そして植物を配したコンテナやパネルを、建物の外壁に取りつける植栽基盤造成型です。ツルを下から上に這わせる方法は、一般的に緑のカーテンと呼ばれており、朝顔やゴーヤを栽培する家庭がふえました。緑のカーテンがあることによって、室温が上昇せず、冷房を使う時間が減り、節電に役だったようです。より広範囲な規模で、壁面緑化ができる植栽基盤造成型は、都市部のビルに設置すれば、地域全体の気温上昇が抑えられます。
節電にもつながり、その効果は計り知れません。各自治体では、これらの効果をふまえ壁面緑化を推進すべく、設置するところに工事費などの補助金を出すところも増えています。緑化は今後日本中に広がってゆくことでしょう。
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